マレーシア法人設立手続きについて
マレーシアでは、進出形態として、「現地法人」「駐在員事務所」「支店」があります。もっとも一般的な進出形態は「現地法人」となります。
「駐在員事務所」は、進出と撤退が現地法人に比べて容易と言われておりますが、マレーシアでの活動は市場調査等がメインとなり、商売やビジネス、契約等はできません。また年間30万リンギット(約900万円)をオペレーションコスト(オフィスや人件費含む)としての支出することが条件となります。また、「支店」は進出形態としては選択肢の一つであるものの、あまり一般的に利用されるケースは少ないです。
それでは、こちらの章では、「マレーシア現地法人」について解説したいと思います。
「マレーシア現地法人」は、居住ダイレクター1名と株主 1 名から登記が可能となります。
取締役と株主を兼任することもできますので、マレーシアに居住されている外国人(日本人)の場合、実質1名で法人設立が可能となります。
マレーシア現地法人(Private Limited Company / SDN BHD) | |
取締役 | 外国人可。マレーシア居住取締役(マレーシア人や長期ビザを保有する日本人)最低1名必要。 |
株主 | 外国人可。業種により100%外資も可能。 |
資本金 | 1リンギット(約30円)(なお、外資100%で就労ビザ取得する場合、最低RM50万-RM100万が必要) |
法人税 | 24% ※2024年度以降適用、外資が20%以上の場合。ローカル資本は15-17%。 |
監査 | 必要※1年に1度、初年度は18ヶ月以内。 |
会社秘書役 | 必要 ※1人以上の会社秘書役の任命が義務付けられている。 |
会社登記自体は、申請から登記まで、最短2週間程度。
マレーシアに渡航せずに完了することが可能です。
登記の手順
会社名の申請(ネームサーチ)
ご希望の法人名候補(★★★SDN BHD)を3つご提供ください。
マレーシア登記所に申請し、承認を得られると、法人名は 30 日間リザーブできます。
30日以内に登記を完了する形となります。
・「Holdings」や「Group」は、既に関連会社をお持ちの場合を除き使用できません。
・「Malaysia ABC SDN BHD」のようにMalaysiaを先頭に置くことはできません。
・「Royal」「King」「Queen」「Prince」「Princess」「Crown」「Regent」「Imperial」使用不可等。
情報のご提供
法人名が決まりましたら、下記の情報をご提供ください。
・取締役及び株主の住所、電話番号、メールアドレス
・オフィス住所
・事業内容
・資本金及び資本比率
・開設予定の銀行と支店名
必要書類の作成とご署名
いただきました情報を元に、書類準備をさせていただきます。
ご署名書類を送付させていただきますので、原本にご署名いただきお戻しください。
銀行口座開設と増資
登記が完了しましたら、法人の銀行口座開設が可能となります。
マレーシアの邦銀は、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行がございます。
日本法人でのお取引がある場合、開設も検討可能ですが、銀行側の審査がございます。
その他、HSBC銀行、ホンリョン銀行、CITI Bank、スタンダードチャータード銀行、OCBC銀行、UOB銀行、AMBankなど。
銀行や支店によっても要件が異なり、
担当者ベースでも求められる書類が変わる場合がございます。
銀行口座開設サポートは、別途承っております。こちらからお問い合わせください。
口座開設後は、ビザやライセンスの要件に合わせ、増資手続きを行います。
ビシネスライセンス取得
ビジネスライセンスは、登記後に基本的に全ての会社が取得すべきライセンスになります。
事業所ライセンスと言われたり、Business Premises LicensesやDBKL(MBPJ)ライセンスなどと言われます。
オフィスの場合は、事業所ライセンスのみで大丈夫ですが、
飲食店や小売店等はサインボード、事業内容によってリカーライセンスや食品衛生のような許可も必要な場合があり、事前に確認しておくと良いかと思います。
お役所は、マレー人が担当官になりますので、
申請書がマレー語だったり、窓口でも英語が伝わりにくい、
書類提出したけど返事がないなど、思ったより時間がかかる場合がございます。
就労ビザを取得する際は、早めにビジネスライセンスの手続きをしておくことをおすすめします。
ビジネスライセンス必要書類には、賃貸契約書や写真、フロアプラン等がございます。
ビジネスライセンスの取得代行は、別途承っております。こちらからお問い合わせください。
就労ビザ、その他のライセンス
ここまでのステップが完了しますと、ようやく就労ビザの申請に入ります。
業種によっては、ビジネスライセンス以外の必要ライセンス取得や承認が先に必要な場合もございます。
就労ビザは、申請から承認まで最短でも数ヶ月必要になってきます。
渡航や就業時期から逆算してスケジュールされることをおすすめいたします。
Q&A
居住ダイレクターがいない場合はどうすれば良いですか?
登記には最低1名の居住ダイレクターが必要となります。マレーシアに居住している日本人やマレーシア人がいない場合、ご希望に応じてご紹介も可能です(別途ノミニー費用が掛かります)。
資本金はいくら準備すれば良いですか?
資本金1リンギット(30円)から登記が可能ですが、銀行口座開設の際には、最低1,000リンギット求められるケースが多くございます。また、外国資本100%で就労ビザを申請する場合、業種によって異なりますが、最低50万リンギット(約1,500万円)〜100万リンギット(約3,000万円)が必要となります。
ローカル資本を入れることにより、資本金を抑えることも可能です。
KLセクレタリーでは、現地法人や駐在員事務所の設立、銀行口座開設、ビジネスライセンスの取得、就労ビザやライセンスまで、トータルサポートが可能でございます。
一部のサポートのみも対応しておりますので、お気軽にご相談ください。